FXトレードにおいて、自動売買できるサービスが用意されている場合があります。
通常は、自分の手で注文して決済して利益を上げていくトレードが一般的ですが、自動売買の場合は初期設定のみおこなえば基本は手をかけることなく自動売買が可能です。
自動売買の方法はいくつか存在していますが、そのなかでもマネースクエアのトラリピが特に人気です。
トラリピは初期設定が非常に簡単で、安定して自動売買できる仕組みが整っています。
他にも、トラリピは手数料がかからないメリットも人気となっています。


この記事では、マネースクエアのトラリピにおける手数料やスプレッド情報を解説します。
- トラリピの各種手数料一覧
- トラリピの手数料に関する注意点
- トラリピの通貨ペアごとのスプレッド一覧
- トラリピと他社のスプレッド差
もくじで見る
トラリピの各種手数料一覧
トラリピでかかる各種手数料をまとめると、以下のようになります。
口座開設費用 | 無料 |
口座維持費 | 無料 |
取引手数料 | 無料 |
スプレッド | 有料 |
入金手数料 | ダイレクト入金:無料 その他:振込手数料がかかる |
出金手数料 | 無料 |
口座開設費用とは、口座開設時にかかる費用のことを意味します。
例えば、銀行に口座を開設する場合には1円以上の預金が必要になる場合が大半ですが、トラリピでは一切費用がかからず口座開設だけ先行しておこない、後日トレード費用を振り込めます。
また、口座維持費とは口座を継続して利用するためにかかる手数料のことです。
金融機関によっては一定期間の口座利用がない場合は手数料が徴収されるケースがありますが、トラリピでは無料で利用できます。
トラリピで実際のトレードをおこなう際、取引ごとに手数料がかかりませんがスプレッドという形で実質的な手数料が徴収されます。
その他、入金についてはマネースクエアが指定した金融機関においてダイレクト入金する場合は無料ですが、その他の方法で入金する場合は金融機関で設定されている振込手数料が必要です。
ただし、出金時はどの金融機関であっても無料で出金できます。
2018年9月29日にマネースクエアはトラリピの手数料を無料化した

マネースクエアでは、2018年までは取引手数料を徴収していました。
トラリピのコンセプトは、時間や手間はかけずにしっかり運用できる注文手法を目指していましたが、取引手数料によって自分が意図しないタイミングでトレードしたことによる手数料が徴収されていました。
取引手数料がかかる点には多くの不満の声があったのは事実であり、2018年4月21日には「トラリピ手数料無料キャンペーン」が開催された際にはポジティブな口コミが多く見られました。
手数料が無料となったポイントとして、以下が上げられます。
- トラリピの再設定
- トラリピ取消後のポジション保有
- トラリピ以外のストリーミング注文
以上の改善によって、トレーダーそれぞれが持ち合わせる相場観をより柔軟かつアクティブに取引へ反映しやすい環境に近づた形です。
トラリピの取引手数料に関する注意点
トラリピの取引手数料は、基本的に無料ですが以下の点に注意が必要です。
- スプレッドはそのまま
- 手数料がないことで無駄に資金を投じてしまう
- 2018年4月21日以前の注文設定は対象外
各問題点について、詳しく解説します。
1.スプレッドはそのまま
先に紹介した通り、取引する際に「取引手数料」という形で、実質的な手数料となるスプレッドが徴収されます。
後で詳しく解説しますが、トラリピでは日本のFX業者と比較して割高なスプレッドとなっており、海外FX業者に匹敵するほどの高さです。
トラリピなどの魅力的なサービスの提供を受けられることを考えれば大きなマイナスではなく、また手数料無料化された段階でもスプレッド幅が変更されなかった点は評価できます。
しかし、スプレッド幅が広い点には注意が必要です。
3.手数料がないことで無駄に資金を投じてしまう
手数料がかからない点はメリットとなる反面、注意力が散漫になるリスクがあります。
例えば、一回当たりの注文に対して手数料が発生する場合、どのタイミングで注文すべきかを吟味しておこなうものです。
一方で、手数料がかからないとなった場合に、自動売買であったとしても失敗したとしてもすぐに決済して次の取引に備えればよいという軽い気持ちでトレードしがちです。
上記のような形で慎重に判断しないままトレードすることで、大きな相場変動などにより損失を計上しなければならないリスクがあることを理解してトレードしてください。
3.2018年4月21日以前の注文設定は対象外
意外な盲点として注意したいのが、2018年4月21日21時00分以前に設定したトラリピから発注される注文は、1,000通貨単位あたり10~50円の手数料が徴収される点です。
それ以降に新たに設定した場合は適用されませんが、古くから設定を継続している場合は知らずうちに手数料が徴収され続けている可能性があるのです。
トラリピで手数料を徴収されないためには、古い設定を一度廃止して新しい注文の設定が必要となります。
ただし、古い設定で保有しているポジションの決済取引では、注文設定内容をアップデートしても古い方式の取引が適用されて手数料が発生するため、手数料を見込んで決済しなければなりません。
トラリピの通貨ペアごとのスプレッド一覧
トラリピでは、マネースクエアFXと同じく以下16種類の通貨ペアでトレードできます。
- USD/JPY
- EUR/JPY
- EUR/USD
- EUR/GBP
- AUD/JPY
- AUD/USD
- AUD/NZD
- NZD/JPY
- NZD/USD
- CAD/JPY
- USD/CAD
- GBP/JPY
- GBP/USD
- TRY/JPY
- ZAR/JPY
- MXN/JPY
トラリピでも、通貨を売るときの値段である売値と、通貨を買う場合の値段である買値の2つの為替レートが提供されていますが、この売値と買値の価格差がスプレッドとなります。
トラリピにおける、2022年6月27日現在のスプレッドは、以下の通りです。
通貨ペア | スプレッド幅 |
USD/JPY | 5.3銭 |
EUR/JPY | 6.5銭 |
EUR/USD | 5pips |
EUR/GBP | 3pips |
AUD/JPY | 8.1銭 |
AUD/USD | 4.7pips |
AUD/NZD | 3.1pips |
NZD/JPY | 7.9銭 |
NZD/USD | 4.4pips |
CAD/JPY | 5.4銭 |
USD/CAD | 3.3pips |
GBP/JPY | 9.8銭 |
GBP/USD | 4.8pips |
TRY/JPY | 6.2銭 |
ZAR/JPY | 3.3銭 |
MXN/JPY | 3.0銭 |
他のFX業者同様に、英ポンド系や豪ドル、ニュージーランドドルなどの通貨ペアはスプレッド差が広めで、逆に日本で最もトレードされているUSD/JPYは他の通貨ペアと比較して狭めに設定されています。
ただし、総じてスプレッド差が広いのは残念なポイントです。
トラリピのスプレッドを他社と比較
トラリピのスプレッド差が広いと説明しましたが、実際に他の主要な自動売買システムとスプレッドを比較した結果がこちらです。
取引システム | USD/JPY | EUR/JPY | EUR/USD | EUR/GBP |
トラリピ | 5.3銭 | 6.5銭 | 5pips | 3pips |
トライオートFX | 0.3銭 | 0.5銭 | 0.3pips | 1.4pips |
トラッキングトレード | 0.2銭 | 0.5銭 | 0.5pips | 2.6pips |
ループイフダン | 2銭 | 3銭 | 2pips | 4pips |
以上の比較結果からも、トラリピのスプレッドの広さが際立っていることが分かります。
唯一、EUR/GBPだけが他社と近い設定となっていますが、それでも主要通貨ペアであるUSD/JPYは5.3銭と他社の10倍というケースもあります。
よって、スプレッドの観点で言えばトラリピは魅力が感じられません。
トラリピは手数料無料でお得!
トラリピの手数料についてまとめると、以下となります。
- トラリピでは入金手数料以外に手数料がかからない
- 実質的な手数料としてスプレッドが設定されている
- トラリピのスプレッドは他の業者と比較して非常に広い
トラリピは、スプレッド幅が広い難点がある一方で、手数料が無料な点は高く評価できます。
手数料がかからないメリットをうまくトレードに活かして、トラリピで利益を重ねましょう。